恋する病棟、24時
それはもちろん私も例外ではなく。
「分かりましたか?」
「あ、はいぃ……」
何とか話の内容は理解できたものの、居ても立っても居られない私は勢いよくその場で立ち上がる。
「こ、珈琲淹れますね! 氷川先生も飲みます?」
「あ、はい。ありがとうございます」
ぴゃーと彼から離れると私は一心不乱にコーヒーメーカーのスイッチを入れた。
駄目だ! 意識しすぎてる! こんなんじゃ付き合うとか以前の問題だ。そもそも氷川先生が恋人な時点で色々と可笑しいのだ。
「(男の人に慣れてないの絶対バレた。恥ずかしい……)」
紙コップに珈琲が注がれていく様子を眺めていると不意に後ろから声を掛けられる。
「実は今日、塩野に当直を代わってもらったんです」
「え、塩野先生に? どうして」
「……少しでも西原さんといたかったので」
「っ……」
あまりの動揺ぶりに私は紙コップの中の珈琲を軽く溢してしまう。そのお陰で少しそれが手の甲に掛かり、ちりっと痛みが走る。
「あ、つ!」
「っ……」