恋する病棟、24時
いやはや私たちはカップルで間違いないのだが、お酒の勢いという何とも謎の始まり方だったからここまで普通の交際を続けられていることが凄い。
というか氷川先生は本当にいい人だし、ああやって優しくされたり彼女扱いされていたら……
普通に、好きになってしまうんじゃないだろうか。
「西原さんおはよー。元気?」
「塩野先生」
カンファレンス前に塩野先生から変な絡み方をされる。そういえばこの人には私と氷川先生が付き合っているのバレてしまっているんだよな。
彼は周りをキョロキョロ見渡したあと、こっそりと私に問い掛ける。
「最近氷川とどう? 上手くやってる?」
「何を気にしてるんですか」
「だって気になるじゃん! アイツ恋とか愛とかうんぬん抜かすようじゃないし、恋人の前だとどうなるのかなーって」
「……」
氷川先生はクールで無口で、ちょっと物静かだと思われがちだ。私も前まではそう思ってた。
だけど本当に彼は控えめだけどよく笑うし、私の見る目はクールから掛け離れた温かい目だし、それに赤面必至の甘い言葉を普通に吐いてくる。
彼の新しい面を見る度に私は胸が高鳴る気分だ。
すると、
「塩野、近い」
そう言って私たちの間に入ってきた人物を見て「あ、」と思う。
「わー、氷川嫉妬? そんなんだとすぐ周りにバレちゃうよ?」