恋する病棟、24時
「そ、そんなの」
「一花は俺のことどう思ってるんですか?」
「っ……言わなくても伝わっているはずですが」
「ううん、言って。一花の口から聞きたい」
こうやって、大事な時に敬語を外すのって狡い気がする。
だけどやっぱり彼の前で私が屈しないわけがなく、じっとこちらを見つめてくる氷川先生のことを見上げると大きく息を吸うように口を開けた。
「す、好きです、氷川先生のことが」
だけど出てきたのはやっとのことで出せた絞り出すほどの小さい声で。
それでも氷川先生は嬉しそう「うん」と頷いた。
「俺も好きです、一花のこと」
「っ……またからかってますよね、私のこと」
「はい、少し。ちょっとすみません」
「な、なに……ん」
ほんの一瞬だけ触れた唇によたっと色気のないよろめきを見せると彼はそんな私を眉をひそめて笑った。
「すみません、したかったので」
「……」
「もう少しで仕事が終わるので待っていてもらってもいいですか?」
喜んで、と告げると彼はまたクスリと喉を鳴らし、目を細める。
「可愛い人ですね」
それはこっちのセリフでは。