恋する病棟、24時
豊宮私立中央病院、これが私の勤務先だ。私は入院患者の治療やリハビリを行う病棟看護師になって2年目のまだまだ新米の23歳。
仕事もこれからだって時に、まさかこんな展開を迎えることになるなんて。
「一花、そんなところに隠れてどうしたの? 早く中入れば?」
「う、うん」
同期の真夜によって恐る恐るスタッフルームに足を踏み入れる。どうやらまだ氷川先生は来ていないみたいだ。このまま検査とかで来ないでほしい気持ちとちゃんと話さなければという気持ちがせめぎ合う。
落ち着かない様子の私に真夜が「そうそう」と話を切り出す。
「昨日あのあと大丈夫だった? 私たちが家まで送り付けたんだよ、覚えてる?」
「ごめん、覚えてないかも」
「嘘ー! じゃあちゃんと氷川先生にもお礼言っときなね?」
「え?」
急に話題に上がったその名前に体を硬くする。
「昨日突然氷川先生がお店に来てさ、それでずっとベロベロに酔った一花のこと介抱しててくれたんだよ」
「そう、だったんだ……」
じゃああの時私の仕事の愚痴をずっと側に聞いててくれたのは氷川先生だったんだ。そんな失態を見せた上に酒の勢いでした告白を了承するって、ますます意味が分からない。
これは絶対に誤解を解かないとあとあと面倒くさいことになるのは間違いない。
「あ、そんなこと言ってたら氷川先生来たよ」
「っ……」