BAD & BAD【Ⅰ】
「これ、もしかしてアルバム?」
もう一度沈黙が流れる前に、本棚からアルバムを取り出した。
たかやんの顔つきが、少し柔らかくなった。
話題提供を2回もしてあげた私に、感謝してね。
「見てもいい?」
「お、おう」
「やったー」
私は雑巾を投げ捨て……ゴホンッ、訂正します。
私は雑巾を本棚の上に一旦置いて、真っ白なソファーに座ってアルバムを見た。
たかやんも、休憩がてら私の隣に腰掛けた。
アルバムの表紙をめくり最初のページを開くと、1枚の写真が真ん中に目立つように貼ってあった。
洋館の前で撮られたその写真には、見知った人物が2人写っていた。
「初代の写真だな」
「あ、お母さんとお父さんだ」
「は!?」
ん?どったの、たかやん。