BAD & BAD【Ⅰ】
だだっ広い広間の隅で、相対する不良が2人。
なんだか、昼休みみたいで笑っちゃう。
「で、相談って何だ?」
同じタイミングで、缶コーヒーの蓋を開ける。
「たかやんはさ、最近違和感を感じなかった?」
「違和感……?」
たかやんの片眉がピクリと動く。
この反応は、どっちなんだろう。
感じたのか、感じていないのか。
あるいは、感じてはいたが感じていないフリをしているのか。
「この地域だけかはわからないけど、著しく不良が減ってるんだよ」
「……あぁ、そうだな」
たかやんはコーヒーを一口飲んで、小さく肯定した。
やけに平静としている。
落ち着いている、というよりは、嘆いているようだ。