BAD & BAD【Ⅰ】
勝てそうってどういうこと!?
鬼退治にでも行くつもり!?
「まあいいや。じゃあ、行こっか。道案内よろしく、大宮ツインズ」
「そのあだ名ダサすぎっしょ!あははっ」
「弘也、爆笑してねぇで行くぞ」
私と大宮ツインズは鬼を退治するべく旅を……じゃなくて、鬼よりも謎な十蔵寺剛に会うために洋館を出て、目的地を目指して夜道を進んでいった。
夜空に浮かぶ月が、道を照らす。
虫の音をBGM代わりに、2人と喋りながら十蔵寺剛宅へ向かう。
2人の話だと目的地は徒歩圏内にあるらしく、バイクを使わずとも歩いていけるらしい。
なんて楽なんだ。
「2人は、十蔵寺剛と話す機会は久し振りなの?」
「そうだな。剛が族を抜けた時以来だから……約3ヶ月ぶりか」
「そんなに話してないんだー!やっべ、ちょっと緊張してきた」
自分の胸に手を当てる弘也が女の子っぽくて、バレないように笑った。
だけど、勘のいい弘也に見つかってしまい、強烈に激しいデコピンをされた。
笑っただけなのに理不尽だ!