BAD & BAD【Ⅰ】





「剛、こいつのことは気にしないでー。ちょっと間抜けでバカでアホで空気の読めない小猿なだけだからさ」

「おい」


弘也くん?それは言いすぎじゃないかな?




「今すぐ帰れ」


「ま、待てよ剛!俺達はお前に聞きてぇことが……!」


「帰れ」



門の隙間から伸ばされた、たかやんの手を弾かれて。


十蔵寺剛はきつく睨みながら、家の中へ戻っていった。




ガシャンッ!!

玄関の扉が強く閉められ、はっきり拒まれたことがより一層鮮明になっていく。



夏の夜風が、いやに冷たく感じた。




「9割お前のせいだ」


「いや、こうなったのは全てこいつのせいっしょ~」


「お、大宮ツインズ、そんな怒らないで。八つ当たりはんたーい!」



反対したのに、ほっぺをつねられた。


ひどい!十蔵寺剛が洋服を着てたのがいけないのに!責任転嫁だ!




「今日が無理でも、また明日聞きに来ようよ!」


「最初からそのつもりだっつの」


「明日は幸珀を連れて行かないに1票~」


「俺も1票」


「えええっ!?」



そんなに私のことが嫌い!?



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