BAD & BAD【Ⅰ】




小泉パパの授業に出るのが、今日の目的だし。

眠たいし。


サボるの決定。



「俺、お前みてぇにはなりたくねぇ」


「たかやんも不良じゃんか」


「そういう意味じゃねぇよ」



なんだか、たかやんって私の保護者みたいだよね。



きっと、たかやんは大人になったら、いい主夫になるんだろうな。


もし本当にそうなったら、連絡してね。



すぐに親友としていじりに……じゃなくて、遊びに行くから!





――キーンコーンカーンコーン。




あっ、チャイム鳴っちゃった。


たかやんの手に掴まれた腕をぐるりと回転させて、手際よく拘束を解く。



「じゃっ、またあとでねたかやん!」


「お、おい……!」


「授業頑張ってね!」



たかやんの制止を華麗にかわしつつ、手を振りながら教室を出た。


閑静とした廊下をスキップして移動していく。



やっぱり自由っていいね。

サボり最高!



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