BAD & BAD【Ⅰ】
「だから俺は、おじいさま側に付いたフリをして、おじいさまの残虐な一面を残した証拠を公にしようとしたんだ。まあ、裏切り者になってまでおじいさまの目を欺きながら集めた証拠は、無意味も同然だったらしいがな」
「首長の本性が暴かれれば、計画も水の泡になって、不良達も元に戻るって考えたわけか」
「ああ、そうだ。鷹也達が俺を助けてくれたみてぇに、今度は俺が皆を助けたかったんだ」
自ら居場所を手放してまで、守りたかったんだ。
どれだけ傷ついても、責められても、仲間を想い続けて。
こいつと私は、もしかしたら同類なのかもしれなくもない、かもしれない。
こんな奴と同類とか、認めたくないな。
「あっ」
「ん?」
「いいこと思いついた」
ニンマリと笑う。
丸く収まる作戦、ひらめいちゃった。
「その名も、神雷は良い子の集まりだよ大作戦!」
「なんだよそのバカ丸出しの作戦名」
「悪口禁止!」
この作戦がうまくいけば、首長にも神雷にもメリットが生まれる。