BAD & BAD【Ⅰ】
私達の鋭い眼が、立ちすくんでいる首長を捉える。
震えてますよ、首長サン。
そんなに怖がらないでくださいよ。
仮にも、1人は、あなたのお孫さんですよ?
作戦は、スムーズに、滞りなく進んでいる。
あと、少し。
私は、顔面蒼白な首長の胸ぐらを乱暴に掴んだ。
野次馬から、金切り声が聞こえる。
いいぞ、舞台は整った。
「拳で殴られるのと、鉄パイプで殴られるの、どっちがいい?」
「ヒッ……」
「悲鳴じゃわかんないよ。ほら、答えて」
「……っ」
「怖くて何も言えない感じ?うーん、じゃあ、鉄パイプでいい?」
凶暴な不良2人組に暴力を振るわれそうになる首長。