BAD & BAD【Ⅰ】
そこに、タイミング良く現れる、
「ちょっと待ったー!!」
不良でありながら正義のヒーローとして慕われている、神雷。
……ん?
ちょっと待った宣言した師匠の後ろで、ひらりひらり舞っているのは、赤いマント?
えっ!?あ、赤いマントだと!?
そんな小道具聞いてないぞ!!
「首長から離れろ、悪党どもめ!」
ノリノリですね、師匠。
そのマントは何ですか。
ヒーローが好きなのはわかりますが、さすがにマントはやりすぎです。今すぐ外してください。
師匠の背後で、たかやんが「悪ぃ、止められなかった」とジェスチャーで伝えてきた。
止めてほしかったよ。どうにかして、師匠からマントを剥ぎ取ってほしかったよ。
「あれは、神雷!?」
「神雷が来てくれたなら安心だ!」
「きゃーっ、頑張ってー!!」
首長は、突然現れた神雷にも、黄色い歓声を出して盛り上がる野次馬にも驚きを隠せずにいた。