BAD & BAD【Ⅰ】
もしかして、本当にトレーニングだったの?
副総長が歩きたくなかっただけなんじゃなくて?
騙されていたのは、私の方だったってこと?
「よかったな」
「はい!ありがとうございます!」
二人の深い信頼関係を、まざまざと見せつけられているようだ。
「つーか、凛さん、アイス何個買ったんすか?」
「10個だけど」
「多いすぎっす!!」
2人を見てると、すごくよくわかる。
桃太郎が、副総長をどれだけ好きなのか。
副総長が、桃太郎をどれだけ可愛がっているのか。
神雷の絆、ってだけじゃない気がする。
主人とペット、みたいな。
それなら、桃太郎は元気のいいトイプードルかな。
我ながらいいチョイスだ。
「なにボーッとしてんだ」
「へ」
副総長に頭をポンと一回撫でられ、間抜けな声がこぼれる。