好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
『桜木は、退鬼師の血筋なんだ。その血を持って鬼を退治する。――桜木の血に触れた鬼を滅する、対鬼に特化した一族。
……今は廃れてしまっているが、真紅はその桜木の末裔(まつえい)でもある』
その血をもって、鬼を滅する。
なにより真紅の頭に響いた言葉。
黎は吸血鬼であり、半分は鬼人だ。
そして真紅の血を吸った。真紅があげると言ったからだ。
今、黎の身体には真紅の――鬼を殺す血が、流れている。