もう一度、名前を呼んで2
「舜さん強すぎっす~」
「ジャンプ力ぱねえ!」
「この砂浜であんな跳べるもんすか?」
「コツとかわかんねえけどいけた!」
「すげー!!」
舜くんたちの会話をなんとはなしに聞いていた。
「お前服着たまんまで寒くねえの?」
あたしが濡れた服を着たままだからだろう。龍毅が聞いてくる。そりゃ寒いけど…
「なに?あたしのビキニ姿みたい?」
さっきのお返し!ふふん!
「誰もみたかねえよ,おめーの貧乳なんか」
「うるせえ!!」
貧乳じゃないもん!これからだし!てか見たことないでしょ!バイクの時のあれのせいか!Dはあるもん!
…と思っていることを大声で言うわけにもいかないから黙り込んだ。ううう,黙ったら負けだけど…でもさすがに。
「すーぐ体調悪くするんだから気ぃ付けろよな」
「…なによ」
龍毅のくせに。ちゃんと心配してんのか。優しいじゃないか。
…でも脱げない。あんまり見せたくないものもある。
「すぐ乾くから大丈夫でしょ」
こんだけ日差しがあればね!
どうやら龍毅は体を焼くつもりらしく,コテージからレジャーシートを取ってきた。そこにうつ伏せで寝転んでいる。
「寝るの?」
「寝ねーけど暇だから喋ってろ」
「悠唏たち寝てた?」
「ああ」
本気で寝てるんだ…せっかくの海なのに。悠唏も僚も,かな?
「お前が凹んでる間悠唏も心配してたんだよ。寝不足だったんじゃね」
「あ…」
そっか…。あたしのせいか…。
「お前が元気になりゃあ解決だ。…なんであんなに凹んでたんだよ」
「……」
「言えねえなら別にいいけど」
「ごめん…心配かけちゃって。でもみんなに迷惑はかけないから…」
「そう思うんなら必要なことは話せよな」
「…」
まさか龍毅にこんなふうに諭されるとは思っていなかった。
お調子者でいつもみんなとバカ騒ぎしてるイメージしかなかった。
……どうして龍毅は鳳狼にいるんだろう。