もう一度、名前を呼んで2
あたしのパーカーも乾いてきたころ,僚がふらりと歩いてきた。
「僚!」
「あ,藍那ちゃん」
へらりと笑ってこっちに歩いてきた。寝起きだからかな,なんだかいつもより気が抜けてる感じがする。
…そういえば僚って倉庫でもあんまり寝たりしないし寝起きの姿って新鮮かもしれない。
レジャーシートの龍毅を押しのけて僚も座り込んだ。
「そんなにぐっすり寝たの?」
「え,そんな顔してる?恥ずかしいな…」
寝跡とかついてない?と聞いてくる僚は女の子みたいだ。なんだか可愛い。
「あたしのせいで寝てなかったの…?」
本当に申し訳ない。なんにも話せないあたしなんかに気を遣わせてしまって。そんな価値,あたしにはないのに
「ううん,藍那ちゃんのせいじゃないよ。そんな顔しないで」
「…」
「海に入ったんでしょ?気持ちよかった?」
「うん,龍毅が泳いで引っ張ってくれた」
「へえ」
うまいこと話しを逸らされてしまった。あんまり追求しない方がいいかな…
「龍毅って泳げたんだ」
「知らなかったの?」
「うーん,海やプールには俺たちは行かないし,水泳の授業なんかも出ないからね。泳げるだろうとは思ってたけど」
「学校にプールなんてあるの?」
知らない。そんな話聞いたことないし授業もないじゃん!
「あるよ。名ばかりの水泳部もあるんじゃないかな」
へえ~そうなんだ!
「そういえば悠唏はまだ寝てるの?一人?」
「まだ寝てたね。一応何人かはコテージにいるし悠唏を一人にはできないかな」
困ったように笑っている。こんな所へ来てもやっぱり悠唏は一人にできないらしい。
何があるか,誰がいるかわかんないもんね…
暴走族になるっているのもなかなか大変なことだ。