もう一度、名前を呼んで2
あ,そうだ。
「ねえ,僚」
「ん?」
「さっき龍毅にも聞いたんだけどね」
どうして僚は鳳狼に所属してるの?と聞いてみた。
僚は物腰は柔らかいし行動とかも品が良い。龍毅みたいに荒々しかったらあんな理由でも頷けるけど,僚が同じ理由だとは思えない。
「まあ,もし話せればでいいんだけど」
「理由ね~」
そんなに面白いもんでもないけど,と前置きして話し始めた。
「小さいころからよくお祖父さんの所に遊びに行ってたんだけどね,そこによく奇抜なお兄さんたちが来てたんだ。人見知りしてたんだけど,あんまりよく顔を合わせるもんだからその人たちが話しかけてくれてさ,結構フランクで仲良くなっちゃったんだよね~」
そしたらそれが鳳狼の人たちだったんだよ,と可笑しそうに笑った。
へえ…
「おじいさんって?」
「医者だったんだ。だから病院で良く顔を合わせててさ…」
「え,それってみんながいつも行くところ?」
「そうだよ。今は伯父さんが院長だけどね」
「そうだったんだ。僚もお医者さんになるの?」
「うーん,一応目指してはいるけど…次男だしそんなに期待されてるわけでもないから」
僚はそう言ったけど,きっと本気で目指しているんじゃないだろうか。
僚ってこう…なんて言うか,意外と野心家っぽいし,頭がいいし。
でもそれなのに暴走族なんかやってていいんだろうか。危ないし勉強する時間もなくなるのに。
そう思ったけど,なんとなく聞かない方が良いような気がして何も言わなかった。
きっと僚はそんなことわかりきってるだろうし,その上で鳳狼にいることを選んでいるんだろうから。
「あたしがこんなこと言うのも変だけど…頑張ってね,僚なら大丈夫だと思う」
そう言うと少し驚いたような顔をされた。
でもすぐにニコリと笑って「ありがとう」と返してくれた。