もう一度、名前を呼んで2
目は逸らされてしまったけど,舜くんにそう言ってもらえたのは正直嬉しい。
あんまり会話らしい会話をしたこともなかったし,今日の距離感はかなりの進歩かもしれない。
「ねえ,なんで女の子が嫌いなのか…聞いてもいい?」
「あ?」
龍毅は「舜の女嫌いはただのワガママ」って言った。ワガママってどういうこと?
「…別に,女はうるせーから嫌いなだけ。キーキー甲高い声は不快だし,“可愛い”とか言って近寄ってきて,俺がちょっと雑に対応したら“イメージと違う!”とかって騒ぐし。それに昔から女みたいって言われまくってたのもマジでむかつく。女じゃねえし。男だし」
ふん,と唇を尖らせて拗ねたようにそう言って教えてくれた。
そっか…いやな思いをいっぱいしたんだ……
「大人しい女もすぐ勘違いとかして酷い!とかって泣くし,ほんとめんどい。うるせえから近寄らないでほしいんだよ」
「そう…」
「お前はなんつーか,俺にあんま興味ねえし。なんも考えてない感じがするから割と平気。バカだからかな」
「は!?なんで急にバカって話になるの!?」
酷くない!?珍しくしおらしい舜くんを見てちょっと仲良くなれた気がしたのに!
「ははは,舜,あんまり失礼なこと言わないの。正直に友達になれて嬉しいって言っときな!」
「は!?何言ってんだよ僚!適当なこと言うなっての!別にそんなんじゃねえし!!」
ブワッと舜くんが顔を赤くした。え?照れてる?カワイイ…!
あ,でも可愛いとか言ったら怒るかな。黙っとこう……
「ちょーし乗んじゃねえぞ!別にと,ともだちとか思ってねえから!」
「えー,いいじゃん。あたしはもう友達だと思ってるよ」
「なっ!勝手に言ってろ!!」
「あっ」
舜くんはかわいい捨て台詞をはいて海のほうに走って行ってしまった。
勝手に言ってろって…あんな顔してたらさすがのあたしでも喜んでくれてるってわかるよ
「ほんとアイツ素直じゃねーな」
「でもめちゃくちゃわかりやすいよね~」
「ほんとだね…」
「ま,舜って女の子の友達初めてだと思うから仲良くしてやってね」
「まあ…あたしで良ければ?」
というか舜くん以外のみんなは女の子の友達がいるのか?
こんなに毎日鳳狼に入り浸ってるのに?あたしが知らないところではうまいことやってたりするのかな…
ま,知ったこっちゃないか!