もう一度、名前を呼んで2

「ま,そんなこんなで,俺が幹部になったのは古株だったのと悠唏と長かったからってのが大きいかもな。喧嘩がつえーやつなんか他にもいるし」

「そんなことねえよ」

「悠唏が言ってもピンとこねーな」

「……」

カラッと笑っているけど,舜くんの本心が垣間見えた気がする。一人だけ小柄なのも気にしていたりするのかな

「おめーアホか,幹部が全員とっつき難かったら下のやつらが委縮すんだろうが。歴代だって俺やおめーみたいなのがいたろ。そういことだよ」

「龍毅……お前,真面目に考えることできんだな」

「失礼なやつだなおめーは」

舜くんが驚いていたけど,あたしだってびっくりした。龍毅ってそんな風に考えてたんだ…
悠唏は龍毅のそういうところも知っていたのか,何も言わない。やさしげに舜くんのことを見てるしきっと龍毅と気持ちは一緒なんだろう。

「ふーん……なんか,ありがと」

「おう」

照れくさそうにお礼を言う舜くんが可愛い。
うん,素直が一番だよね


今日はいろんな話を聞けた。でもまだ悠唏のことが聞けてない!

「ねえねえ!悠唏は?やっぱりけいちゃんとかの影響で鳳狼に入ったの?」

「あー……まあそれもある」

それも?他にも何かあるんだろうか

「…藍那が知ってるかはわかんねえけど,ウチの親たち仲いいだろ。それに,留学から帰ってきたときに集まった人たちとか,いるだろ」

「うん。マキちゃんとかでしょ?」

「そうだ。あの人たちはみんな,鳳狼のOBって繋がりで今でも仲良くやってんだよ」

へえ…そうなんだ。そういえばさっき龍毅にパパがOBだってことを聞いたばっかりだっけ

「ねえ,パパもって聞いたよ,そうなの?」

「風斗さんは8代か9代前の総長だった。ウチの親父はその時の参謀,僚と同じだな」

「えっ…そうだったんだ…」

「それで昔からバイクに乗せてもらったり倉庫に顔出したりしててな。ちょうど,藍那が留学に行った頃が啓司たちの代だった」

「けいちゃんたちも幹部だったんだね」

「ああ」

…あたし,知らないことばっかりだったんだなあ

「啓司が総長になったころから俺は一人でも倉庫に行くようになって,毎日のように通ってた。…学校に友達なんかいなかったんだろうな,藍那もいなくなったし。倉庫のほうが楽しかった」

「そっか……ごめんね」

「謝ることじゃねえよ。お前が大変なのにも,気付いても何もできなかった」

「あたしが大変…?」

「小学校嫌いだっただろ」

「……」

そんなの,悠唏に言ったことないはずなのに。気付いたんだ……

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