もう一度、名前を呼んで2
「俺もだけど,お前もあんま友達とかっていなかったしな。勉強だってつまんなかったろ」
「うん……」
「だから,留学って道を選んだのは仕方ないことだったんだってガキながらに納得した」
「……あたしがいなくなって,寂しかった?」
話の端々にそんな感じがにじんでいる。あたし以外に友達なんかいなかったんでしょう。
「…まあな」
でもこうやって帰ってきただけで十分だ,ってあまりにも優しい目をして悠唏が言うもんだから,なんだか泣きそうになってしまった。
ごめん,ごめんね。
悠唏がそんな風に思っていてくれたなんてあたしぜんぜん知らなかった…小さい悠唏を悲しませてたんだね……
「中学に上がったら喧嘩もするようになったし,バイクの練習とかもして毎日が忙しくなったんだ。舜とか僚とか,年が近いやつも身近に増えてきて楽しくなった。だから今お前がそんな顔する必要ねーよ」
転がったままのあたしの頭をポン,と叩いて笑った。
「うん……」
あたしの周りは優しい人ばっかりだ。こんなにダメダメなのに…あたしも何か返せたらいいけれど,何も持っていないから何もしてあげられない。ふがいないな…
「ま,元気出せよ。理流たちが帰ってくるまで休んでろ」
もう少しかかるから寝てろ,と言われてあたしはおとなしく小さくまるまった。
頭の中は初めて聞いた悠唏の話でいっぱいで,ぐるぐる回る。
さっき一瞬だけ寝てたけどやっぱり体は疲れていたようで,いろいろ考えてるうちに寝落ちてしまった。
エドが迎えに来てくれたら,あたしはきっとまた悠唏を置いてアメリカに行くだろう。
……でも本当にそれでいいのか。
そんなことを考えていた。