クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「お待たせしてしまったかな?」
部屋に入って来たのは、予想した通りサウル王子だった。
晩餐会で纏っていた衣装から着替えたようで、今は私達を捕らえた私兵と似たような、上下黒の衣装に身を包んでいる。
服装のせいかもしれないけれど、優しい王子の面影は一切ない。
そのサウル王子が、作り笑いを浮かべて私を見た。
「グレーテ姫、ヘルマンと同じ部屋に閉じ込めてしまって申し訳なかった。他に適当な部屋が無かったものでね」
言葉では詫びているけれど、サウル王子の態度から申し訳ない気持ちなど少しも感じない。
「私たちをこんな所に閉じ込めて、どうするつもり?」
不安に耐える為、手を強く握りしめながら言う。そうしないと声高に叫んでしまいそうだった。
「グレーテ姫次第だ」
「私次第?……あなたは私に何をさせる気なの?」
「人質になって貰う。アンテス辺境伯の娘で、騎士リュシオンの婚約者のグレーテ姫は、実に良い人質になるからね」
サウル王子は躊躇いなく言い切った。私は衝撃を受けて息をのむ。
「先ほどの話は嘘だったのですね。サウル王子はバラークとの同盟を反対しているのではなく、推進している立場なのでしょう?」
私の言葉を聞くと、サウル王子の口元が綻んだ。
「やっぱり君は馬鹿じゃなかったようだね。その通りだよ、俺はシハレフでも数少ないバラークとの同盟推進派だ」
「ど、どうしてですか! サウル王子の母君は我がベルツ家の娘です。サウル王子がアンテスの敵になるような真似をするなんて信じられません」
ヘルマンが溜まりかねたように叫び、会話に割り込んで来る。
サウル王子は蔑んだ目をヘルマンに向けた。
部屋に入って来たのは、予想した通りサウル王子だった。
晩餐会で纏っていた衣装から着替えたようで、今は私達を捕らえた私兵と似たような、上下黒の衣装に身を包んでいる。
服装のせいかもしれないけれど、優しい王子の面影は一切ない。
そのサウル王子が、作り笑いを浮かべて私を見た。
「グレーテ姫、ヘルマンと同じ部屋に閉じ込めてしまって申し訳なかった。他に適当な部屋が無かったものでね」
言葉では詫びているけれど、サウル王子の態度から申し訳ない気持ちなど少しも感じない。
「私たちをこんな所に閉じ込めて、どうするつもり?」
不安に耐える為、手を強く握りしめながら言う。そうしないと声高に叫んでしまいそうだった。
「グレーテ姫次第だ」
「私次第?……あなたは私に何をさせる気なの?」
「人質になって貰う。アンテス辺境伯の娘で、騎士リュシオンの婚約者のグレーテ姫は、実に良い人質になるからね」
サウル王子は躊躇いなく言い切った。私は衝撃を受けて息をのむ。
「先ほどの話は嘘だったのですね。サウル王子はバラークとの同盟を反対しているのではなく、推進している立場なのでしょう?」
私の言葉を聞くと、サウル王子の口元が綻んだ。
「やっぱり君は馬鹿じゃなかったようだね。その通りだよ、俺はシハレフでも数少ないバラークとの同盟推進派だ」
「ど、どうしてですか! サウル王子の母君は我がベルツ家の娘です。サウル王子がアンテスの敵になるような真似をするなんて信じられません」
ヘルマンが溜まりかねたように叫び、会話に割り込んで来る。
サウル王子は蔑んだ目をヘルマンに向けた。