クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「確かに母はベルツ家の出身だが、それとバラークとの件は無関係だろう」
予想していなかった言葉だったのか、ヘルマンが瞠目する。
「バラークはアンテスに攻め込んでくるのだから、ベルツ家にとっても敵になります。サウル王子だってそれは分かっているのに、どうしてですか?」
「そんなに驚く事ではないだろう? 母の出身地である事は確かだが、私自身はベルツ家に何の情もない」
「な、なぜ……サウル王子はベルハイムの人間でもあるのに」
混乱した様子のヘルマンを見て、サウル王子は嘲笑した。
「私がベルハイムの人間? シハレフでは私をベルハイムと結び付ける者はいないが」
「えっ? そんな訳は……」
「ベルツ家はベルハイム王国、アンテス辺境伯領内の名家のひとつに過ぎない。その程度の家が、他国に影響を及ぼすと思うのか? お前はベルツ家を過大評価しているんじゃないか?」
「いえ……それは……」
言い返す事が出来ないのか、ヘルマンの声が小さくなる。
「私の母がベルハイムの王族の姫、またはアンテス辺境伯家直系の令嬢であれば、私のシハレフ王家での地位は違っていただろうな。皆が私の背後にある巨大な力を意識して傅いていただろう」
サウル王子はヘルマンに語り掛けながらも、私に視線を移す。
「もしグレーテ姫が私の母だったら、今頃私は同盟反対派で、次期シハレフ国王としてベルハイムに協力していただろうな。だが現実の私はシハレフ国王に最も近い血筋を持つ男でありながら、母親の出自の悪さを理由に王位を継ぐことを認められずに、バラークに助力を請う惨めな男だ」
「……あなたは王位に就くために、バラークの力を借りようとしているの?」
予想していなかった言葉だったのか、ヘルマンが瞠目する。
「バラークはアンテスに攻め込んでくるのだから、ベルツ家にとっても敵になります。サウル王子だってそれは分かっているのに、どうしてですか?」
「そんなに驚く事ではないだろう? 母の出身地である事は確かだが、私自身はベルツ家に何の情もない」
「な、なぜ……サウル王子はベルハイムの人間でもあるのに」
混乱した様子のヘルマンを見て、サウル王子は嘲笑した。
「私がベルハイムの人間? シハレフでは私をベルハイムと結び付ける者はいないが」
「えっ? そんな訳は……」
「ベルツ家はベルハイム王国、アンテス辺境伯領内の名家のひとつに過ぎない。その程度の家が、他国に影響を及ぼすと思うのか? お前はベルツ家を過大評価しているんじゃないか?」
「いえ……それは……」
言い返す事が出来ないのか、ヘルマンの声が小さくなる。
「私の母がベルハイムの王族の姫、またはアンテス辺境伯家直系の令嬢であれば、私のシハレフ王家での地位は違っていただろうな。皆が私の背後にある巨大な力を意識して傅いていただろう」
サウル王子はヘルマンに語り掛けながらも、私に視線を移す。
「もしグレーテ姫が私の母だったら、今頃私は同盟反対派で、次期シハレフ国王としてベルハイムに協力していただろうな。だが現実の私はシハレフ国王に最も近い血筋を持つ男でありながら、母親の出自の悪さを理由に王位を継ぐことを認められずに、バラークに助力を請う惨めな男だ」
「……あなたは王位に就くために、バラークの力を借りようとしているの?」