クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「不審な点?」
思い当たることがないのか、サウル王子が眉をひそめる。
「それについては城に戻ってからお話させて頂きます。ご同行頂けますね」
「アンテス城に? まさか! 大人しく従うはずがないだろう。行けば私は身の破滅なのだからな」
サウル王子は馬鹿にしたように笑い、右手を上げて私兵たちに指示を出す。
するとサウル王子の背後に控えていた私兵たちが剣を鞘から抜き、次々とリュシオンを目指して襲い掛かって来た。
「リュシオン!」
思わず叫ぶ私に一瞬視線を向けてから、リュシオンも剣を抜く。
直後、高い金属音が響き、リュシオンと私兵達が激しく剣を交え始めた。
リュシオンひとりに、何人もの男が襲いかかる。
訓練用ではない本物の剣が、容赦なくリュシオンに振り下ろされる。
あまりの光景に直視できず、私は叫んだ。
「フレッド、リュシオンに加勢して!」
戦いが始まっていると言うのに、さっきからフレッドは私の側から離れない。
フレッドだけではなく騎士の半数は私の周りを囲んでいてその場から動かないのだ。早くリュシオンを助けて欲しいのに……焦る私にフレッドが首を横に振ってみせた。
「我々の任務はグレーテ様の護衛ですから、この場を離れるわけにはいきません。それにこの程度の敵などリュシオン様の敵では有りません。ご安心ください」
「そんな……安心なんて出来ないわ」
誰かが酷い怪我をしたのか、辺りには咽帰るような血の匂いが漂っている。
苦しそうに呻く声も聞こえて来る。
思い当たることがないのか、サウル王子が眉をひそめる。
「それについては城に戻ってからお話させて頂きます。ご同行頂けますね」
「アンテス城に? まさか! 大人しく従うはずがないだろう。行けば私は身の破滅なのだからな」
サウル王子は馬鹿にしたように笑い、右手を上げて私兵たちに指示を出す。
するとサウル王子の背後に控えていた私兵たちが剣を鞘から抜き、次々とリュシオンを目指して襲い掛かって来た。
「リュシオン!」
思わず叫ぶ私に一瞬視線を向けてから、リュシオンも剣を抜く。
直後、高い金属音が響き、リュシオンと私兵達が激しく剣を交え始めた。
リュシオンひとりに、何人もの男が襲いかかる。
訓練用ではない本物の剣が、容赦なくリュシオンに振り下ろされる。
あまりの光景に直視できず、私は叫んだ。
「フレッド、リュシオンに加勢して!」
戦いが始まっていると言うのに、さっきからフレッドは私の側から離れない。
フレッドだけではなく騎士の半数は私の周りを囲んでいてその場から動かないのだ。早くリュシオンを助けて欲しいのに……焦る私にフレッドが首を横に振ってみせた。
「我々の任務はグレーテ様の護衛ですから、この場を離れるわけにはいきません。それにこの程度の敵などリュシオン様の敵では有りません。ご安心ください」
「そんな……安心なんて出来ないわ」
誰かが酷い怪我をしたのか、辺りには咽帰るような血の匂いが漂っている。
苦しそうに呻く声も聞こえて来る。