クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
 実際は、そう長い時間ではなかったかもしれないけれど、騎士達が私の前からどき、リュシオンの姿を見るまで、心臓が忙しなく鼓動を打ち、とても長い時間のことのように感じた。

 開けた視界の先には、地面に座りこむサウル王子と、その前にしっかりとした様子で立つリュシオンの姿があった。

 あの大男や、他のサウル王子の兵士達の姿は見当たらない。

 だけど、ところどころ赤く染まる地面が、先ほどの戦いが現実のものであった証拠だ。

 あんなに沢山の血が……恐ろしさを感じながらも、リュシオンが無事で良かったと心から思う。

 サウル王子は、アンテスの騎士に監視されどこかに連れていかれるようだ。

 部下に指示を出すと、リュシオンが私に近づいて来て、視線を合わせうように跪いた。

「もう終ったので大丈夫です。また、恐い思いをさせてしまいましたね」
「……リュシオンは大丈夫?」

 よく見れば、頬にうっすらと傷が出来ている。

「問題ありません。ヘルマン様も今部下達が探しています」
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