クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「どうして、お姉様に言わなかったの? ずっと黙っていて辛くなかったの? リュシオン程の騎士ならお父様も結婚を許してくれたかもしれないわ。現に私と婚約したのだし」
リュシオンは、報われない想いを抱えて辛くなかったのだろうか。
お姉様を自分のものにしたいと、想わなかったのだろうか。
「ラウラ姫には初めから想う相手がいました。私が出会うよりもずっと前に既に心に決めた相手がいたのです。一時期距離を置いたことがあったようですが、それでもラウラ姫が誰を想っているのか見ていれば分かりました」
「それはアレクセイお義兄様のこと? リュシオンはそれで良かったの? 好きな人が他の人と結婚するのを見ているだけなんて……苦しかったでしょう?」
お姉様がアンテスを離れていったとき、リュシオンの心の痛みはどれほどだったのだろう。
「いいえ。私はラウラ姫を想いその幸せを願っていました。フェルザー公爵に嫁ぐときラウラ姫は誰よりも幸せだった。それで充分だと思いました」
「そんなの……」
私はそんな風に思えない。
リュシオンが大好きだけれど、幸せになって欲しいけど、他の女性と結婚する姿を見て笑顔になんてなれない。
それは私がまだ子供だからだろうか。
リュシオンはそんな私の葛藤が分かるのか、微笑みながらそっと私の頬に手を添えて来た。
「ラウラ姫のことは今も昔も大切に想っています。ですがそれはグレーテへの気持とは違うものです。この意味が分かりますか?」
突然質問されて私は戸惑いながら首を振った。
リュシオンは、報われない想いを抱えて辛くなかったのだろうか。
お姉様を自分のものにしたいと、想わなかったのだろうか。
「ラウラ姫には初めから想う相手がいました。私が出会うよりもずっと前に既に心に決めた相手がいたのです。一時期距離を置いたことがあったようですが、それでもラウラ姫が誰を想っているのか見ていれば分かりました」
「それはアレクセイお義兄様のこと? リュシオンはそれで良かったの? 好きな人が他の人と結婚するのを見ているだけなんて……苦しかったでしょう?」
お姉様がアンテスを離れていったとき、リュシオンの心の痛みはどれほどだったのだろう。
「いいえ。私はラウラ姫を想いその幸せを願っていました。フェルザー公爵に嫁ぐときラウラ姫は誰よりも幸せだった。それで充分だと思いました」
「そんなの……」
私はそんな風に思えない。
リュシオンが大好きだけれど、幸せになって欲しいけど、他の女性と結婚する姿を見て笑顔になんてなれない。
それは私がまだ子供だからだろうか。
リュシオンはそんな私の葛藤が分かるのか、微笑みながらそっと私の頬に手を添えて来た。
「ラウラ姫のことは今も昔も大切に想っています。ですがそれはグレーテへの気持とは違うものです。この意味が分かりますか?」
突然質問されて私は戸惑いながら首を振った。