クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「もしそんな事になっていたら、門を監視していた騎士は責任を問われます。二度と失敗を繰り返さないように厳しく叱責するのは彼自身の為でもあるのです」
「そう……分かったわ」

 きっとリュシオンの言う事が正しいのだろう。厳しく感じてしまうのは、私の考えが甘いからだ。

「私ももっと自分の置かれた立場を考えて行動するわ……今回の事はとても反省してる。迷惑をかけてごめんなさい」
「いえ、危険な事を話しておかなかった私にも責任があります」
「リュシオンは何も悪くないわ」

 私がのこのこ中に入ってくるなんて、予想していなかったのだろうし。

「グレーテ姫はなぜ中に?」
「……リュシオンの姿を近くで見たくて」
「呼んで頂ければ直ぐに伺ったのですが……」
「私、リュシオンが剣を使う所を見るのが好きなの。綺麗で強くて、ずっと見ていたくなるわ」

 正直に言うと、リュシオンは驚いたのか目を瞠り、しばらくするとどこか気まずそうに言った。

「今後はこの席の近くで訓練します」
「本当? 嬉しい」

 リュシオンは私がウロウロするのを防ぐ為にそうしてくれるのかもしれないけど、私はとても嬉しかった。

 ニコニコする私を見てリュシオンも僅かに微笑む。

「そろそろ訓練に戻らないといけません。グレーテ姫はどうしますか? 部屋に戻るのなら誰かに送らせますが」
「もっとリュシオンの訓練を見たいけど部屋に戻るわ。これからドレスの採寸なの」
「ドレス?」
「婚約発表の時に着るドレスよ。あと二ヶ月しかないから」

 その半年後には結婚式。私はリュシオンの妻になる。

そう言えば、

「ねえリュシオン、今日は反省する事ばかりだったけど嬉しい事もあったわ」
「嬉しい事?」
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