クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「そう。リュシオンが私に敬語を使わないで普通に話してくれた事と、強引に手を引いてくれたこと。婚約者って実感が湧いて嬉しかったの」

 あの時は、いつも私達の間にある距離を感じなかった。

 身分や地位は関係無く、私個人と向き合ってくれている気がした。

 それに、強引で迫力のあるリュシオンは男らしくて素敵だった。

「あの時は慌てていたもので……無礼を致しました」

 残念ながらあっという間に、リュシオンは通常通りの礼儀正しい騎士に戻ってしまったけど。

「ホリー殿の所まで行きましょう」
「ええ」

 今はまだ遠いけど、これからふたりの距離が近付けば、また素のリュシオンが見られるかもしれない。

 私はリュシオンに手を差し出した。
 リュシオンは意外そうに眉を上げながらも、そっと私の手を取りエスコートしてくれる。

「これからも私を引っ張ってね」

 早く本当の夫婦になりたい。
 そう思いながら、未来の旦那様に向けて言った。

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