クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
◇◇◇

「グレーテ様出来ましたよ!」

 時間をかけて私の髪を結っていたホリーが、嬉しそうに完成を告げて来た。

 どうやら満足出来る出来栄えだったようだ。確かに鏡に映る私の髪はきっちりと編み込まれ少しの乱れもない。ただ見慣れない髪型だからこれで正解なのかは不明だけれど。

「さあ、後はこのリボンを止めて……はい本当に完成です!」

 ホリーは、髪と一緒に編みこんでいた真っ赤なリボンの端を、器用にピンで留めてくれた。

 ホリーが言うには、この髪型は最近城下街で流行っているそうだ。けれど私はホリーに疑いの目を向けた。

「さすがに派手過ぎない? 本当にこれが流行っているの?」

 髪型自体はしっかりと編み込み小さく纏まっているので違和感は無いのだけれどど、問題はリボンの方だ。明らかに大きくて、これでは悪目立ちしそうだ。

 だけど、ホリーは自信満の様子で私の疑惑の視線を撥ね退け、断言した。

「間違いないですよ。先日街に下りたらお洒落な女性は皆大きなリボンで頭を飾っていましたから。私も初めは驚いたんですけど、洋品店の店主に聞いたところ最近の流行だって言ってました」
「それでついでに結い方も習って来たの?」
「はい、もちろん今日の為に。抜かりはありませんよ」

 そう言うホリーの髪も私と同じような形になっている。但しリボンは控え目な深緑で、長さも短いからそれ程派手ではない。私の好みとしては断然ホリーの付けているリボンの方だ。

「どうして私のリボンだけやたらと大きいのよ」

 つい愚痴るとホリーは目を丸くして言った。

「私がグレーテ様より立派なリボンを付ける訳無いじゃないですか!」

 つまり辺境伯令嬢の私を立てて、私には派手なリボン、自分はシックなリボンにしたと言う事か。
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