クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「リュシオンはよく街に出るの?」
私は気楽に街に出る事は出来ないけれど、騎士や侍女は、自分の休日になると街に出て買い物をしたり、食事をしたりと楽しんでいると聞いていた。
ただ、リュシオンから街に遊びに行ったと言う話は聞いた事は無かった。
「いえ、アトレゼに行くのは久しぶりです」
「前はよく行っていたの?」
「仕事でですが」
「アトレゼでの仕事もあるの?」
とても意外に感じた。平常時のリュシオンの仕事は主に要人の護衛だと思っていたから。
「はい、特別任務でしたが」
「そう……」
リュシオンは婚約した後も、仕事の事はあまり話してくれない。
私はアンテス家の人間だから話しても問題ないと思うのだけど、今のところしつこく問い質すような事はしていない。無駄になる事が予想されるから。
リュシオンは私に優しいし、未だに丁寧な態度を崩さないけれど、何でも願いを聞いて甘やかしてくれる訳ではない。と言う事を私も段々と察して来ていた。
お父様もそれを知っていて、私の結婚相手に選んだのかもしれない。
妻の言うことを何でも聞くような相手より、駄目な事は駄目と言う厳しさを持った人を、お父様は好みそうだから。