捨てられた町
そう言うと、カエルは左右に首を振って「ないんだよ」と、答えた。


「ない……? そんなはずないだろ? 僕はまだ使えるものでも捨てたことはある」


「ルキ。お前は俺を捨てた後、こっぴどく両親から怒られた事を忘れたか?」


そう言われ僕はハッと息を飲んだ。


どうして今まで忘れていたんだろう。


引っ越しの後カエルのストラップを捨てたと伝えると、僕は確かに怒られたんだ。


『物は大切にしなさい』


『まだ使えるものを捨てちゃいけません』


そんな風に……。


「で、でも……。それでも僕は……」


『使えるまま捨てた物があるはずだ』
< 263 / 322 >

この作品をシェア

pagetop