あの夏の続きを、今
そして、私たちがコンクールで演奏する曲は、「雲の信号」という曲。
約7分という長い曲で、私はこの曲の楽譜を見ながら、どのように演奏するのか、音源を聴いて確かめているのだ。
曲の前半はゆったりとしたテンポ。
流れるような、柔らかく歌うような、そんなメロディー。
前半部分はひとつひとつの音が長く、リズムも簡単なので、それほど難しくはないのだが、問題は後半部分。
後半になると、一気にテンポが速くなり、軽快な曲調になる。
ひとつひとつの音が短く、しかも4分の2拍子なので、すぐに音や小節が切り替わる。
何度も繰り返し音源を聴きながら、この音は楽譜のこの部分と対応している、というのを確かめようとしているのだが、曲のテンポが速すぎて追いつけず、すぐに迷子になってしまう。
先生や先輩によればかなり簡単な曲らしいけど、まだまだ初心者の私には難しすぎる。
吹奏楽祭の時と同じように、1年生は先輩から指定された部分だけを吹くことになっているけれど、それでもハードな部分はいくつかある。
本番までにきちんと吹けるようになるのか、不安でしかない。