必然的な運命
壁にもたれかかり腕組みしている彼、千秋だ。

しかも、たいそうご立腹に見えるのは私だけ?

「お前、お酒飲んだのか?」

「はあ?……飲んでないけど?」

専務だと言う立場を忘れ、ついいつも通りに返事をしてしまった。

いつもより少し低めの声がまた不機嫌さを増させている。

徐々に近づいてきてグイッと腕を引っ張られた。

「こいつは俺が連れて帰る」

そう啖呵を切って言った相手はもちろん河原課長にだった。
< 98 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop