騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「ダ、ダメ、ルーカスっ!!」
「……何故?」
「だって、みんながいるのに……」
「それが、どうした」
「それがどうした!?」
予想外の言葉にオウム返しをしてしまったビアンカに対して、ルーカスは至極真剣だった。
その上、ふっとその目を周りにいる者たちに向けると、低く唸るような声を出す。
「寧ろ、貴様らが全員、今すぐここを出て行けばいい。俺とビアンカは、しばらくこの部屋に篭るから、あとは全てお前たちに──」
「ダ、ダメ……っ!!」
完全に夜モードに入りかけているルーカスを前に、慌てて彼の身体を押し返したビアンカは一歩、距離を取った。
「お願いだから、夜まで待って……!」
……恥ずかしい。穴があったら入りたい。
先程からニヤニヤと楽しそうにこちらを見てる、騎士団の皆さんの視線が痛い。
「……もう、夜だ」
「へ?」
「もう、外は夜だ」
心底、不愉快そうに。
それだけを言ったルーカスは、離れたビアンカの身体を再び自身の腕の中へと閉じ込めた。
そうか、そうだった。晩餐会が今まさに開かれているのなら、今は夜に違いない。
だからといって、今のはただの揚げ足取りだ。