騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「……ビアンカ、お前の身は俺が預かる。これからは片時も、俺のそばを離れるな」

「ひゃっ……!?」


言いながら、ルーカスは軽々と、ビアンカの身体を抱え上げた。

突然のことに驚いたビアンカが慌てふためくと、やっぱりニヤニヤとこちらを見るいくつもの視線に射抜かれる。


「ちょ、ちょっと待って!! もう、色々待って……!!」


ルーカスが、まさかこんなに開き直るとは。

愛って本当に、恐ろしい。というか、もう少しも何も、ルーカスはビアンカへの愛を更々隠す気はないのだ。

いや寧ろ……彼は今まで、ビアンカへの愛を隠したことなどなかった。

ビアンカが彼の花嫁となった瞬間から。ルーカスは一途に、ビアンカへ愛を注ぎ続けていた。


「待てないから、行くぞ。暴れるなよ」

「……っ」


そんな彼が、ビアンカの抗議を受け入れるはずもない。

軽々とビアンカの身体を抱え上げたまま、ルーカスは颯爽と屋根裏部屋をあとにした。

……こうなったら、もうヤケクソだ。

どうせすでに王宮内ではルーカスの寵愛ぶりは知られているし、今更恥ずかしがっても意味がない。

 
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