騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 




「ねぇ、アンナ。今日こそは、帰ってくると思う?」


波乱の晩餐会が幕を閉じてからというもの、セントリューズ国内は慌ただしい日々が続いていた。

王太后と前宰相が逆賊になるなど前代未聞の出来事で、ルーカスを含めた騎士団の精鋭数名以外は誰も予想していなかった。

結局、二人のしたことは国を危険に晒す行為とみなされ厳罰を受けることとなった。

王弟であり、王立騎士団の騎士団長を務めるルーカスを殺そうとした罪。

そして、その妻であるビアンカの命までもを狙った。

更には、それが失敗に終わった時にも友好国とはいえ、近隣諸国の王たちの前でセントリューズの誇る騎士団に泥を塗ろうとしたのだ。

騎士団の名が折れれば、好機をついてセントリューズに攻め入ろうとする国も出てくるかもしれない。

結果として彼らは大国を治めるオリヴァーの治政の邪魔をしただけでなく、伝統あるセントリューズの名に泥を塗ったのだ。

 
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