騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「もう、今日で一週間よ……」
ベッドの上で膝を抱えながら、ビアンカは慌ただしく過ぎた一週間のことを思い出して、深い溜め息を吐いた。
混乱しているのは国内だけでなく王宮内も同じで、ビアンカはこの一週間、部屋から出ることも制限されている。
けれど、溜め息の原因はもっと別のところにあるのだ。
それはこの一週間……ずっと、この部屋に戻ってこない彼のこと。
ルーカスは晩餐会が終わってからビアンカを部屋に送り届け、そのまますぐに、後処理のためにと部屋を出ていってしまった。
「ルーカス様が夜、ビアンカ様の元に帰ってこなくなってからもうそんなにも経つのですね。そうなると、そろそろ別の女の影を疑いたくなるお気持ちも、よくわかりますよ」
ニヤリ、含み笑いを浮かべながら紅茶をカップに注ぐアンナに向けて、ビアンカは手元にあったクッションを投げつけたくなった。
本当に、アンナはビアンカの侍女なのか。もっと素直で従順で、何よりビアンカに優しい侍女を探したほうが今後のためかもしれない。
「もう、アンナなんて大嫌い……」
唇を尖らせると、アンナが再び笑みを零す。