騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「それと……一つ、勘違いしているようだが」
「か、勘違い……?」
「確かに、俺は山賊のねぐらを焼き払ったが、中にいた子どもたちは殺していない」
「え……」
「子どもたちは今頃、街の修道院に送られているだろう。部下にそう支持を残してきたからな。さすがの俺たちも……無闇に女子供を殺すような、神に背く行為はしない」
フッ、と。小さく笑ったルーカスに、不覚にも一瞬、見惚れてしまった。
今の彼の言葉をそのまま受け取るなら、どうやらビアンカは、大変な勘違いをしていたらしい。
ルーカスは山賊のねぐらを、子どもたちごと焼き払ったのだとばかり思っていた。
けれど実際は、子どもたちをどこかへ移してから焼き払ったのだ。
その上、子供たちを修道院に送るだなんて……思いのほか手厚い加護まで付けて。
「俺やオリヴァー国王、ついでに先代国王こそ罪深い……か」
「ご、ごめんなさい……! 私、勘違いして……っ」
たった今、自分がルーカスにぶつけた言葉を思い出して、ビアンカは青ざめる。