騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「ふふ……っ」
「ビアンカ様?」
「あ……すみません。騎士団の制服を着ているから、ジェドさんも怖い方なのかと思ったんですが、違うみたいで安心してしまって……」
言いながらビアンカがジェドを見上げると、ジェドは一瞬、驚いたように目を見開いた。
吸い込まれるような、美しいヘーゼルの瞳。
ビアンカのあどけない笑顔は可愛らしく、いけないとはわかっていても、ジェドは高鳴る胸の鼓動を抑え切れない。
「ジェドさん?」
キョトンと首を傾げる仕草も、可愛らしい。
鈴の音のような声は透き通っていて、いつまでも聞いていたいと思うほどだ。
「どうかされましたか?」
「いえ……っ、申し訳ありません! 団長の気持ちがわかってしまったというか、わかるからこそ団長に申し訳ないというか……」
突然、狼狽えだしたジェドを前にビアンカは首を傾げる。
そんなビアンカから慌てて目を逸らしたジェドの耳は、ほんのりと赤く染まっていた。
「きょ、今日は、ビアンカ様の行きたいところを全て案内するようにと言われております……! 王宮内はとても広いので、迷子になると危ないですから!!」
「は、はぁ……」
やっぱり、厚手の軍服は着ていると暑いのだろうか。
せめてコートだけでも脱いだら……と、ビアンカは思ったが、騎士団の中で厳しい規律でもあるのかもしれないと考え言葉を飲み込む。