騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「噂とか、そういうことではない。彼をよく知る人から見た彼のことを、知りたいんです」
「…………」
「私は、ルーカスのことをもっと良く知りたい。もっともっと彼のことを知って、彼を理解し、いつかは……妻として、彼のことを支えたいんです!」
真っ直ぐにオリヴァーを見て言えば、オリヴァーもまた静かにビアンカのことを見据えていた。
それは何かを考え込むようでもあり、ビアンカのことを試しているような目でもあった。
ビアンカは思わずゴクリと息を呑むと、胸の前で握った手に力を込めた。
今すぐこの場から逃げ出したい気持ちと、恥ずかしさで全てをなかったことにしたい気持ち。色々な感情が折り混ざって、心の中がグチャグチャだ。
だけどその中でもたった一つ、ぶれないものがある。
自分は、ルーカスの妻であるということ。
だからこそ自分の夫である彼を知り、自分を愛しているという彼の気持ちに──応えたい。
「……今の言葉、ルーカス自身に聞かせたかったな」
「え……」
「ルーカスが何故あの日、あんなにも強くビアンカ王女との結婚を私に申し出たのか、たった今ようやく理解した気がするよ」
オリヴァーは柔らかに目を細めると、どこか感慨深そうに息をこぼした。
各言うビアンカは、首をひねるばかりだ。
ルーカスが、ビアンカとの結婚をオリヴァーに強く申し出た?
自分たちの結婚は、セントリューズとノーザンブルを繋ぐ政略的なもので、全ては国王同士が勝手に決めたものだと思っていたのに……。