御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
一木さんは社長の姿が見えなくなると、やっと顔を上げた。


「後場の取引は、他の人にお任せしましょう。社長を待ちましょう」


手に入れたスケジュール通りなら、一時間で出てくるはずだ。
そんなことをしていいのかわからなかったけれど、この謝罪が今一番重要な仕事な気がした。


「そうしよう」


すると、一木さんも賛成してくれた。

それから一木さんは車に戻ることなく、炎天下で社長が出てくるのを待った。
もちろん私も。

夏目さんは、大きなため息をつきながらも付き合ってくれた。
おそらくそれは一木さんが「申し訳ない」と何度も頭を下げたからだ。


「あっ、いらっしゃいました」


それから一時間きっかりで出てきた社長を見つけ声を上げると、再び一木さんは頭を下げる。


「まだいたのかね」

「お許しいただけるまでは帰るわけにはいきません。この損害は取り返す所存です」

「そんな簡単に言うけど、君。一日で五千万だよ」


社長は呆れ顔だ。
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