御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
途端に照れくさくなり離れようとしたのに、許してくれない。


「もう少し」


一木さんが少し切なげな声で囁くので、私は彼に体を預けてじっとしていた。

彼ならなんとかしてくれる。
彼を、信じる。

そんなことを考えながら目を閉じていると、「よし」と彼は離れた。


「充電完了だ。帰りはタクシー使え」


そして彼は私に一万円を握らせた。

充電って……私にレッスンをしていたんじゃないの?
でも、彼に抱きしめられると、恥ずかしくて目を合わせられない。


電車でいいのに。
だけどそれだと心配なんだろうなと思った私は、うつむいたまま「はい」と返事をして今度こそ会社を出た。



翌朝も早起きをして弁当をこしらえ、一木さんに届けた。


「英莉……こんなに早く」


まだ六時。
でも彼がひとりで頑張っているのに、そわそわして寝てなんていられなかった。


「少し休んでください」
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