御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
そんな生活が五日。

一木さんの感が冴え、いや、入念な情報収集のおかげで、目標の五千万まであと二百万まで来た。

もちろん、小さな損害は多々あった。
それでも、リスクを分散し、堅実な運用をしているおかげで大きく崩れることはなかった。


「一木さん、やりました!」


後場が始まって早々、ひとりが大きな声を上げた瞬間、一木さんは天を仰いだ。
ついに、五千万の損害を取り戻したのだ。


「すぐに営業の夏目に連絡しろ」

「わかりました」


私は一木さんが指示を出しているのを聞きながら、目頭をそっと抑える。
彼を信じて間違いはなかった。


「よくやった」


一木さんは桑田さんのチームの皆をひとりひとり褒めたたえている。


「なに言ってるんですか。ほとんど一木さんが稼いだんですよ」

「お前たちがいなければできなかったよ」


その様子を見ていると、涙をこらえきれなくなり、壁のほうを向いて頬を拭う。
すると、一木さんの大きな手が私の頭をポンと叩いて遠ざかっていった。
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