御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「淳也は……あの子が好きなの?」


桑田さんは泣きそうな目で一木さんを見上げる。
今、彼のことを『淳也』って呼んだ?


「そんなことは、今、関係あるのか?」


冷たい眼差しで桑田さんを一瞥した一木さんは、スタスタと足を速め彼女の前から立ち去った。


「なに、よ……」


残った桑田さんは唇を噛みしめながら拳を震わせる。

もしかしてふたりは、上司と部下というだけの関係ではないの?

私、どうしてこんなにもやもやしているんだろう……。


桑田さんがこっちに向かってきたので、慌てて車の間に隠れやり過ごす。
すると、一木さんの車も発進して出ていってしまう。

私は渡せなかったスマホを握りしめ、呆然としていた。


それからフロアに戻ったものの、桑田さんの様子が気になって仕方ない。
時々チラチラ視界に入れながらパソコンのキーボードを叩いていたけれど、彼女は平然とした顔で業務を続けていた。
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