御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「いえ。近くに駅もありましたし、大丈夫です。ごちそうさまでした」

「冗談だったのに。ごめん、怒った? ちょっと、待ってよ」

「怒ってません。おやすみなさい」


慌てふためく彼にそう告げ、逃げるように店を出た。
会計をしなければならない彼は、すぐには追いかけてこられないようだ。

おごってもらっちゃった……。
折半するつもりだったのに、逃げたくてたまらなかった。

でも私、どうしてこんなに逃げたかったんだろう。


彼はひと晩だけと言っているわけじゃなく、付き合おうと言ってくれているのだから、遊びではないとわかっている。

それに、『色っぽい』とか『連れて帰りたい』というのも、考えようによっては褒め言葉だ。
でもやっぱり……私には無理。


駅まで走ったせいか、余計に酔いが回ってしまった。

しばらく駅のホームのベンチに座り、呆然としていた。
すると、バッグの中のスマホが鳴っているのに気づきそれを手にすると、一木さんからの電話だった。
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