御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
私は彼に背を向けた。
『私はここにいてもいいんですか?』と聞くべきなのに、彼と一緒にいるのが心地よくて言い出せない。

お茶を淹れていると、どうしてだか涙が一粒頬を伝って落ちていく。

どうしたんだろう、私。
やっぱり酔っちゃったのかな……。

慌てて涙を拭い、彼に背を向けたまま笑顔を作る練習をしてから振り向いた。


「どうぞ」

「サンキュ」


彼は私からお茶を受け取ったものの、じっと私を見つめたまま視線をそらさない。


「英莉。泣かせてごめん」

「いえっ。私が悪いんです」


視線を絡ませているのがつらくなりうつむくと、彼は再び口を開く。


「いや、俺が暴走しただけだ。もう、この話は終わりだ」

「はい」


彼は私を見捨てないでいてくれた。
けれど、桑田さんと彼が仕事上の付き合いだけではなさそうだと知ってしまった私の心は複雑だった。
< 194 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop