御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「こんな夜遅くに、女の子ひとりで帰せるわけないだろ? さすがにそんなひどい男じゃないつもりだけど」


もちろん、一木さんが冷たい男だなんて思っていない。
こんなに遅くまで付き添ってくれたんだから。

問題は、送ってもらう家がないことであって……。


「はい、乗った」

「ありがとう、ございます」


彼がご丁寧に助手席のドアを開けてくれたので、もう乗るしかなくなってしまった。


「それで、家はどこ?」


一木さんに尋ねられても、答えることができない。
だって、ないもの。


「あ、あの……」


うつむいて困っていると、「どうした?」と急かされ困る。


「家は……ありません。マンスリーマンションに住んでいたんですけど、来月の家賃が払えなくて」


もうこうなったら仕方ない。
正直に話すと彼は目を丸くした。


「それ……もしかしてカニ三昧に払ったから?」

「まぁ、そう、かも」
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