御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
彼は以前『出会った瞬間に恋に落ちることもある』と私に言ったけど、それってもしかして私のことだったの?


「桑田さんとは本当になにも……」

「ない」


きっぱりと断言する彼が、少しも視線を逸らそうとしないので、それが真実なんだと伝わってくる。


「でも、こんな男、イヤだよな。英莉の反応が初々しくて本当にかわいくて……。俺、完全に調子に乗ってた。俺の一方的な気持ちばかり……」


彼の苦しそうな顔を見ていられない。


「私の気持ちは聞いてくれないんですか?」


私が言うと、彼は唖然としている。


「英莉の、気持ち?」


私は大きく息を吸ってから彼の目をじっと見つめる。
どうか届いて。


「私……一木さんが、好き、です。だから、勝手に終わらせない……あっ」


思わず声を上げてしまったのは、彼が私を強い力で引き寄せ、抱きしめたからだ。


「英莉……本当、か?」


耳元でつぶやく彼の声が、仕事のときとは違いどこか弱々しく感じる。
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