御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
いつもと変わりない優しい触れ方なのに、今日はそれがイヤでたまらない。
その手で桑田さんにも触れたの?


「おやすみ」


アルコールの匂いを漂わせた彼は、そう言い残して出ていってしまった。


翌朝の目覚めは最悪だった。

ほとんど眠れなかった上、余計なことを考えすぎたせいか頭が痛い。
それでも重い体を引きずるようにしてキッチンに向かい、朝食を作り始めると、淳也さんが起きてきた。


「おはよ、英莉」


いつもと変わらない優しい声が聞こえたあと、うしろからフワッと抱き寄せられる。
やめて……。


「包丁使ってて危ないですから」

「あぁ、ごめん」


彼が素直に離れてくれて、ホッとした。
もしキスされそうになったら、拒否してしまいそうだったからだ。


「昨日は遅くなってごめんな。引きとめられちまって……」


『誰に?』と聞きたいのに、怖くて聞けない。


「いえ」

「俺がいなくても、ベッド使っていいんだぞ。あっちのほうが広いだろ?」

「はい」
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