御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「よし」


気合を入れたものの、こんな時間からはなにもできない。

ネットで調べようとスマホを手にしたものの、ずっと切りっぱなしの電源を入れるのが怖い。
でも、このまま電源を落としておくわけにはいかないと、勇気を出してボタンを押すと……。


「嘘……」


金曜の夜だけで留守番電話が二十件近く入っていて驚いてしまった。
すべて、淳也さんからだ。

『英莉。これはどういうことだ。どこにいる?』から始まったメッセージは、あとにいけばいくほど声が緊迫してくる。


『なぁ、無事なのか? 頼むから、声だけでも聞かせてくれ』


そんな彼の声を聞き、激しく心が揺れる。
ダイオー電機の大損害を出したときですら、彼はもっと冷静だった。

それでも、最後は……。


『英莉。ちゃんと会って話したい。とにかく、会社は休みにしておく。俺はまだあきらめない』


少しだけ冷静に戻った様子の彼は、『はー』とため息をついてから電話を切った。
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