御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
あゆみの言った通りだ。
私……彼のことが本気で好きなんだ。

その日、十九時くらいにもう一度お隣さんの家を訪ねることにした。

淳也さんとすれ違わないことを願いながらエントランスでチャイムを鳴らすと、すぐにすみれさんが対応してくれた。
よかった。今度はいてくれた。


「あの、隣にいました蓮川です」


『いました』と過去形にするのが辛い。
でも、これは自分が選んだ道だ。


『あっ、英莉さん、来てくれたんですね』

「は、はい……。ハンカチを」


あれ、今、名前を呼ばれたような。
私、自己紹介をした覚えはないんだけど……。


『今開けますね。上まで来ていただいてもいいですか?』

「はい」


本当はイヤだったけど、借りたのは私のほうだ。
仕方がない。


「はー」


エレベーターに乗った瞬間、大きなため息が出る。
淳也さんに偶然会うなんてことはさすがにないだろうと思いつつ、緊張しすぎて心臓が破裂しそうだった。
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